怒りを抑えられず、つらさがいつまでも長引くご相談者
私は怒りっぽく、ちょっとしたことでキレてしまいます。その上、いったん怒ったら最後、その怒りがなかなか止まりません。
嫌なことをされ激しく怒った後でも、何日か経ったら「もう忘れちゃおう」とは考えるのです。
でも、忘れたい気持ちとは裏腹に怒りはまったく収まらず、いつまでも怒りっぱなしです。そんな自分にもイライラしてしまいます。
同じような嫌な出来事にあっても、他の人はしばらくすればさっぱり忘れているように見えます。それをみると、なぜ私だけがこんなにネチっこいのだろうと考えてしまいます。
相手を許すためにはどうしたら気が収まるのか考えているうちに、嫌な出来事を思い出してきて、怒りがまたフツフツと沸きあがってくるのです。だから、許そうと考えれば考えるほど、かえって怒りが長引いて困っています。
疲れます。
瞬間的な怒りは止められないとしても、せめて何か月もプンプン、ネチネチと後を引く怒りを止める方法は無いものでしょうか。
罪悪感にもさいなまれています。こんな生きづらい性質、どうにかできないものでしょうか?
こんにちは。ご相談ありがとうございます。
ご自分で怒りをコントロールできないのは悩ましいですよね。
止めよう止めようと思えば思う程、余計に怒りが増すから大変ですね。
というか、わたしもそうでした。同じようなことで悩んでいました。
だから辛いのが良くわかります。
いつまでも怒っていてはいけない、と思ってはいるけど、どうにもならないんですよね。
自分でいけないとわかっているなら、やめればいいだけじゃないの?
少し気合を入れてグッとこらえればやめられそうなもんだけど。
そう思うでしょ?
ところがどっこい、そう簡単にはいかないのです。
もし、いけないと思っただけでやめられるんだったら、みんな悩みません。
わたしも、ささいなことで怒り続けるのは良くないといつも反省していながら、同じことを繰り返す自分にほとほとあきれました。
心が狭いのかなーとか、性格に欠陥があるのかなーとかも考えたことがあります。
そんな昔は罪悪感も強く、生きづらくて辛かったです。
そんなもんかねー。
よくわからないけど。
でも、昔はそうだった、ということは今は治ったのね?
そうなんです!
少しづつ改善していきました。
今でも、怒ることはそりゃありますよ。
でもそれがいつまでも尾を引いて辛い、という状態はなくなったんです。
では、長引く怒りを抑えたその方法を、ここで紹介してみたいと思うのです。
簡単なことなので良かったらちょっとやってみてください。
ぐるぐる廻って収まらない怒り
一度沸いたら最後、二度と止まらない怒り
人に嫌なことを言われ、それがくやしくて怒りがわいた。
その怒りが頭の中をずっと回っている。
止めようと思っても収まらず、夜も眠れなくなりつらい。
このように、怒りをコントロールできずに悩んでいる人は多いのです。怒りというものは、簡単に沸きあがりますが、抑えるのは簡単ではありません。
一番やっかいなのは、怒りが一時的なものでなく、時間が経っても収まらずにずっと頭の中を回ることです。
他人に対して発したつもりの怒りが、頭の中で回り続けて自分の心も攻撃してしまいます。攻撃が自分に向いていることに気づき、怒りを止めようと思ったところでなかなか止まらないのです。
他人に向けた刃が自分に向いてしまう。そしてコントールできない。
これが生きづらさを感じる理由です。
わたしのいつもの怒りのパターン
わたしは昔、職場でそりが合わない人がいて、その人のことが大嫌いでした。何かにつけてわたしを攻撃してくるからです。
今日もあの人に嫌味を言われてしまった。
なんで、すぐに言い返さなかったのだろう。
いや、言い返せなかったのかもしれない。
次に嫌味を言われた時はどう言い返してやろうか。
でも反論されるかも。
くやしいけど負けるだろうな。わたしはあいつのように弁が立つタイプではない。
そうか、奴は反論できない弱いわたしを狙って攻撃しているのか。
思い起こせば奴はいつだってそうだ。
あの時もわたしが親切にしてやったのに、、、、
それにもかかわらずあいつが・・・
と、いうように思考がぐるぐると巡ります。不満と怒りが次から次へとわきだしてきます。
普段、仕事に必要なアイディアはまったく湧いてこないのに、こんなネガティブな思考はよくまあ泉のごとく湧いてきます。
ネガティブな思考を打ち消すために、対策を色々考えました。
”気晴らしに本でも読もうか“
→でも、読んでる途中に奴のことが思い浮かぶので、集中して本が読めない
”じゃあ今日はもう寝よう“
→でも、忘れようと思えば思うほどあの言葉が浮かんできて全然眠れない
だから次の日、インターネットで調べた。「嫌いな人」で検索。
こんな対処の考え方が目に付いた。
「嫌いな相手は、鏡に映ったあなたなのです。その人の嫌だと思うところ、それはあなたにも同じ癖があるということです。自分も同じことをしていると思えば、相手のことを許せるようになります」
なるほど、一理あるかも。
そう考えれば許せるようになれるのかもしれない。
ん?
なんでわたしが許さなければならないんだ。
そもそも、わたしはやつに親切にしようとしたんだ。
それなのにあいつは、そんなわたしに攻撃してきたんじゃないか!
「相手は自分の鏡」と言われれば、そうかもしれない。確かにわたしも人に嫌味を言ったことはある。
でも、でも、その後でわたしはきちんと相手に謝った。
そこがやつとまったく違うところだ。
それに対してあの野郎ときたら・・・
!!
収まらないじゃないか!!
いや、収まるどころか反対にうらみ節がどんどんわき出てくる。
・・・と、これがいつものわたしの怒りが後を引くパターンでした。
気づきと変化の時
自分ってねちっこいのかな・・・ 他の人と比べると、自分はすごく精神年齢が幼い気がする。なんてだめなんだろう・・・
感情をコントールできない自分を反省して、罪悪感もすごくありました。
そして、ゆっくり休みたい時にかぎって、怒りと反省が交互に頭の中をぐるぐるぐるぐる。
こういうネガティブなループって、とってもとっても疲れます。
だからといって、鏡だから反省しろ、相手を許せなんて高尚なこと言われても、簡単にはできませんでした。わたしを攻撃したあいつを許したくはなかったのです。
そんなことで悩んでいたある日、そんな話を友人にしている時にある情報をもらいました。友人が言うには、感情を抑えられない時は瞑想が良いとのことでした。
瞑想か~
最近よく聞くなぁ、でも難しそう。
なんか怪しいし、
そもそも面倒くさそうじゃん。
このように感じました。
でも、怒りで長年悩み続けていたわたしは、ここいらで悩みに終止符を打とうと思い、瞑想について少し調べてみることにしたのです。
怒りを止める瞑想
具体的で簡単な瞑想方法
本屋で簡単な瞑想の本を買ってきました。
瞑想にもいろいろな種類があることがわかりました。
わたしは、瞑想というものは修行僧や人生を達観した人間だけができるもの、というイメージがありました。しかしその本には、誰にでも簡単にできるシンプルな瞑想が書かれていました。
その方法を簡単にまとめ紹介したいと思います。皆さんも瞑想は難しくて固いイメージを持っているかもしれません。でも簡単すぎて、ちょっと拍子抜けするかもしれません。
まずは、歩いてみます。瞑想は座禅を組んだり座ったりするイメージがありますが、ただ歩いてください。
おそとを散歩がてら歩くのもいいし、外に出るのが面倒であれば、部屋の中を歩き回るのでも構いません。
そして、歩みに合わせて「右足、左足、右足、・・・」と心の中で言います。
念仏のようにただつぶやくのです。
歩いている間、念仏のつぶやきに集中します。
すぐに飽きたり気がそれたりして、他のことが頭をよぎることでしょう。
こんなことをしたって何の意味がある?
くやしさなんて晴れるわけがない。
くやしさといえば・・・
奴はおとといも、わたしに対してひどいことを平気な顔して言い放った。
絶対許せない!
そうだ、上司にこっそり言いつけてみるなんていうのはどうだろう?
いやいや、上司はどっちかっていうと奴の味方かもしれな・・・
・・・あれれ。
歩いてはいるけど、「右足、左足、」のつぶやきはいつの間にか、完全に止まっていました。
でも、そうやって気がそれていたことに気づけばいいのです。
気づいたらすぐにまた念仏に戻ります。
右足、左足、右足、・・・
よし今度は続いているぞ。
右足、左足、・・・・・
・・・・・・このスニーカー軽くていいな。
高いけど、買ってよかった。
自分へのご褒美だもんね。
ご褒美・・・・
・・・・あいつからのストレスをいやすために、どんだけ自分にご褒美のスイーツを買ったか。
お酒のつまみなのに甘いものが好きだからなぁ。そのせいでまた太ってしまった。
あいつはスリムで外見は確かにいい。でも中身が・・・
あぁ。やっぱり気がそれる。
うまくいかない瞑想
瞑想をしたことがないと、当然このように気が簡単にそれます。
でも自分を責める必要はありません。「気がそれていたことに気づけた」ということが大切なのです。
また瞑想に戻ります。
右足、左足、右足、・・・
思考を足のステップと念仏に集中させます。
気がそれてもいいのです。気づいた時点でつぶやきに戻れば大丈夫です。
こうしているうちに、ぐるぐる回る嫌な思考がほんの少しだけど横にそれてきます。
それるのはほんの一瞬かもしれません。瞑想時間の大半が恨み節思考にまだまだとらわれています。
瞑想の達成
それでも大切なのは、うらめしい思考が沸いたことに自ら気づくことです。
なぜならば「あっっ、と われに帰った時点で、これまでとは違う視点に立てている」からなのです。
違う角度から自分を俯瞰して見ることが出来たのです。「恨み節にとらわれている自分」を客観的に見ることができたのです。
「あ、わたし、今、気がそれていたんだな」
こう気づくだけで、瞑想の目的は達成したようなものです。
その結果どうなるっていうのさ?
まだ恨みは消えてませんけど??
と思うかもしれません。
でも「いつも恨むことだけにとらわれていた自分」が、今日は少しだけ引いて見ることができたのです。第三者の視点で自分を遠巻きに眺めると、思考も少しづつこれまでとは変わってきます。
効果が出るのを焦らず、ちょっとづつやってみてください。最初はほんの少しかもしれませんが、必ず変化を感じられるようになってきます。
瞑想によって引いた所から自分を客観的に見つめていると、そのうちふと、怒っていたことがばからしく感じることがあります。そうして怒りの感情は、だんだんとしぼんでいくのです。
また、瞑想にはリラックス効果があります。リラックスしてイライラが減れば、それだけ怒りを抑えやすくなります。
瞑想は集中力を高める効果も持っています。何かに集中することで、頭の中に勝手に浮かびあがるネガティブ思考をさえぎることができるのです。
趣味やスポーツに集中するのも良いです。でも、単に「いま食べている食事に集中する」「いま聞いている音楽に集中する」という簡単なことで良いのです。
集中するという行為は、いま私たちの目の前で起こってる事がらだけに思考を向けることなのです。今に目を向けることがとても大切なのです。今に集中すれば、過去にとどまったままの思考から離れることができるようになるのです。
目の前のことだけに集中するのは意外と難しいものです。ご飯を食べていてもスマホをいじる、テレビに気をとられる、考え事をするなどで、ご飯の味なんてほとんどそっちのけになります。
だからこそ、まずは歩きながら念仏を唱えて、今起こっていることだけを意図的に見つめるのです。この瞑想によって集中力が高まってきたら、普段の生活でも今に集中できる癖がだんだんついてくるのです。
ぜひ今に集中する癖をつけて、過去に起こった嫌なことから私たちの思考をそらしましょう。
いまこそ長引く怒りに終止符を打つのです!!
まとめ:長引く怒りは瞑想でしずめよう
以上、怒りを冷ます瞑想の方法を紹介しました。とっても簡単な方法ですが、このようにしてわたしは後を引く怒りを止められるようになりました。
ネガティブにループする思考癖から自分を解放することできたのです。
まとめ:
- 歩きながら、ステップに合わせ頭の中で「右足、左足、右足、、」と念仏を唱える
- 気がそれてもOK
- 自分を責めてはいけません。「集中しているのになんで気がそれるんだ」などと考えない
- 気がそれたら、ただただ念仏に戻ります。淡々とこれらを続けます
これだけです!
瞑想する時間は好きな長さで構いません。短くても、やろうと意識すること自体が良いのです。
この方法は、怒りだけでなく頭の中をぐるぐる回る思考すべてに使えます。
わざわざ出かけなくてもその場で足踏み出来ますし、通勤や通学途中に行うこともできます。細かい決まりや、こうしないと効果が無い、ということはありませんので気楽にやってください!
いかがだったでしょうか。瞑想といっても、軽~い感じだから簡単にできますね。
それでも効果は絶大です。怒りやすかったり、怒りが止まらない癖を持っている人も、この瞑想で今に集中し、心を落ち着かせることができるのです。
他の人にもこの方法を紹介してきましたが、簡単なのでとっつきやすいようです。
瞑想と聞いて構えちゃったけど、意外と簡単そうだね。
でも簡単すぎて、なんかうまくいかないような気もするけど・・・
最初のうちはうまくいかなかったり、効果がわからなかったりすることもありますよ。
でも落ち込まず、自分を責めず気が向いた時に行ってください。
効果を感じなくても焦らなくて大丈夫だから、ゆっくり気を大きく持ってやってみてくださいね。
わたしもやってみようかな・・・
みなさんからもご質問をお待ちしていますヨ!!
きょうのピカソ
👆左の前足、右の後ろ足、左の後ろ足、右の前足・・・あぁー、ややこしくて怒りが収まらないのだ
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